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キャリア教育とは

 

キャリア教育とは、『一人一人の社会的・職業的自立に向け、必要な基盤となる能力や態度を育てることを通して、キャリア発達を促す教育』(平成23年1月中央教育審議会「今後の学校におけるキャリア教育・職業教育の在り方について(答申)」より)

キャリア教育の背景

今日,日本社会の様々な領域において急激な構造変化が進行しています。特に産業や経済の変容は雇用形態の多様化・流動化にも直結しています。そういった状況により,子供たちが将来 に不安を感じ,学校での学習に自分の将来や社会との関係で意義が見いだせないことから,学びへの意欲がわかず,内発的な学習習慣が確立していないといった状況も指摘されています。 また,今春示された「キャリア教育・進路指導に関する総合的実態調査第一次報告書」を見 ても,一人一人が「生きる力」を身に付け,しっかりとした勤労観・職業観を形成・確立し,そ れぞれが直面するであろう多様な課題に柔軟かつたくましく対応する力を高めることが重要な課題となっています。社会的・職業的自立に向け,必要な能力や態度を育て,一人一人のキャリア発達を支援する「キャリア教育」が強く求められています。(平成25年4月国立教育政策研究所生徒指導・進路指導研究センター)

地域でキャリア教育を実施するメリット

新たな学習指導要領によるキャリア教育

平成29年告示の新学習指導要領総則に、初めて「キャリア教育」という言葉を用いて、その充実を図ることと示されました。第1章総則に「キャリア教育」が明記されたことは、教育課程全体に係り指導していくことを意味しています。

【小学校】

第1章 総則 第4 児童の発達の支援
1.児童の発達を支える指導の充実
(3)児童が、学ぶことと自己の将来とのつながりを見通しながら、社会的・職業的自立に向けて必要と基盤となる資質・能力を身につけていくことができるよう、特別活動を要としつつ各教科等の特質に応じて、キャリア教育の充実を図ること。

【中学校】

第1章 総則 第4 生徒の発達の支援
1、生徒の発達を支える指導の充実
(3)生徒が、学ぶことと自己の将来とのつながりを見通しながら、社会的・職業的自立に向けて必要と基盤となる資質・能力を身につけていくことができるよう、特別活動を要としつつ各教科等の特質に応じて、キャリア教育の充実を図ること。
その中で、生徒が自らの生き方を考え主体的に進路を選択することができるよう、学校の教育活動全体を通じ、組織的かつ計画的な進路指導を行うこと。

キャリア教育の中核となる「特別活動」

平成29年告知において、中学校ではこれまでの学級活動の内容「学業と進路」を「一人一人のキャリア形成と自己実現」と改めることとなり、小学校にも「一人一人のキャリア形成と自己実現」を設けて内容を整理することととなりました。その中心に特別活動の時間が据えられています。

特別活動についてはこちら 

【小学校】第6章特別活動 第2 各活動・学校行事の目標及び内容 2.内容

(3)一人一人のキャリア形成と自己実現
ア 現在や将来に希望や目標をもって生きる意欲や態度の形成
学級や学校での生活づくりに主体的に関わり、自己を生かそうとするとともに、希望や目標をもち、その実現に向けて日常の生活をよりよくしようとすること。
イ 社会参画意識の醸成や働くことの意義の理解
清掃などの当番活動や係活動の自己の役割を自覚して協働することの意義を理解し、社会の一員として役割を果たすために必要となることについて主体的に考えて行動すること。
ウ 主体的な学習態度の形成と学校図書館等の活用
学ぶことの意義や現在及び将来の学習と自己実現とのつながりを考えたり、自主的に学習する場としての学校図書館等を活用したりしながら、学習の見通しを立て、振り返ること。

【中学校】 第5章 特別活動 第2 各活動・学校行事の目標及び内容 2.内容

(3)一人一人のキャリア形成と自己表現
ア 社会生活、職業生活との接続を踏まえた主体的な学習態度の形成と学校図書館等の活用現在及び将来の学習と自己実現とのつながりを考えたり、自主的に学習する場としての学校図書館等を活用したりしながら、学ぶことと働くことの意義を意識して学習の見通しを立て、振り返ること。
イ 社会参画意識の醸成や勤労観・職業観の形成
社会の一員としての自覚や責任を持ち、社会生活を営む上で必要なマナーやルール、働くことや社会に貢献することについて考えて行動すること
ウ 主体的な進路の選択と将来設計
目標をもって、生き方や進路に関する適切な情報を収集・整理し、自己の個性や興味・関心と照らし合わせて考えること。

参考資料:文部科学省HP・新時代のキャリア教育(東京書籍)

 

「キャリア教育」の登場

平成11年12月:文部科学行政関連の審議会報告等で 「キャリア教育」が文言が登場
提言:学校教育と職業生活との接続」の改善を図るために,小学校段階から発達段階に 応じて「キャリア教育」を実施する必要があると提言

 

今日までの経過

平成16年1月:キャリア教育推進に関する総合的調査研究協力者会議でのキャリア教育に関する重要提言
平成18年12月:教育基本法改正
教育の目標の一部に「職業及び生活との関連を重視し、勤労を重んずる態度及び個性に応じて進路を選択する能力を養うこと」が規定され、小学校からの体系的なキャリア教育実践に対する明示的な法的根拠が整う。
平成20年1月:中央教育審議会答申「幼・小・中・高及び特別支援学校の学習指導要領の改善について」で、新学習指導要領でのキャリア教育充実が求められる。
平成20年3月:小学校・中学校学習指導要領改訂
平成21年3月:高等学校学習指導要領改訂
平成20年7月:「教育振興基本計画」が閣議決定

今後5年間(~平成24年度)までに、「関係府省の連携により、小学校段階からの記キャリア教育を推進する、特に中学校を中心とした職場体験活動や普通科高等学校におけるキャリア教育を推進する」が施策となる。
平成20年12月:文部科学大臣が中央教育審議会に「今後の学校におけるキャリア教育・職業教育の在り方について」諮問。
平成23年1月:キャリア教育の定義と育成すべき力を「基礎的・汎用的能力」と提示

資料提供:国立教育政策研究所・文部科学省HP・経産省キャリア教育支援